フリー素材と著作権

 

公開日 2021/09/24

更新日 2021/09/24

フリー素材と著作権

フリー素材と著作権

今回はフリー素材と著作権について解説していきます。
インターネット上にはたくさんの写真やイラストがあり、画像検索することで目的に合った画像を見つけ出すこともできます。

そんな中でSNSやホームページなどで画像を使いたいといった場合には「フリー素材」を利用しましょうという文言をどこかで聞いたことがあるという方も多いと思います。

「フリー素材の利用が推奨されているのはなぜ?」「著作権侵害って何?」「そもそもフリー素材って何?」そんな疑問を持つ方は是非今回の記事をお読みください!

フリー素材ってなに?

フリー素材ってなに?

SNSの普及にともない、一般の方でも気軽に情報発信できるようになった今、インターネット上での著作権侵害が問題視されています。そんな中、広く知られるようになったのが「フリー素材」です!
フリー素材はその名の通り自由に使っていいよという素材のことを指します。しかし、すべてが無料で自由に使っても良いというわけではありません!実はフリー素材にはそれぞれ利用規約が設定されており、定められた規約に則り利用しなければ、著作権侵害となることがあります。
この章ではフリー素材の利用規約の読み方と使いかたについて解説していきます。

利用規約について

利用規約は読むのが大変と思うかもしれません。しかしポイントを頭に入れながら読むことで理解することが少し簡単になるかもしれません。
この章では利用規約によく設定される決まりをいくつか上げて解説します。

【クレジット・リンクの掲載】
利用する際には、画像の掲載元を記載してくださいという規約です。義務である場合と任意である場合があります。また、記載時の細かいルールが指定されていることもありますのでしっかり確認しましょう。

【商用利用可】
個人的に使用するのではなく、営利目的でお店のホームページやチラシなどに利用する場合に利用可という規約です。この規約が記載されていない場合には商用使用はできません。
似たような規約で「個人利用可」「法人利用可」などがあります。使用目的に当てはまる部分が許可されているかを確認しましょう。

【加工可】
画像を加工して掲載するような利用方法が許可されている場合に記載されます。素材へのテキスト追加・変更。色の変更などの画像編集を自由に行っていただけるという規約です。
この規約がない場合には画像をそのまま使わなくてはいけません。また、加工可と記載されていても「トリミングのみ可」などの細かいルールが追加されている場合もあるためしっかり確認しましょう。

【点数制限】
利用素材の点数を制限する規約です。5点までなら無料、6点以上の利用は有料というような決まりを設定している場合があります。見落としやすい規約のひとつなので気をつけましょう。

画像提供元によってはわかりやすく項目が箇条書きにされている場合もありますが、詳細は個々で異なります。利用にあたって重要になりそうな項目(特に商用利用など)に関しては必ず原文まで確認するようにしましょう。

モデルリリース

写真素材の場合は特にですが、画像に写っている人物の顔にも肖像権という権利があります。著作権はカメラを構えている人の権利ですが肖像権は写真の中に写っている人が持つ権利です。モデルリリースが取得されている写真は写ってる人が「私の顔が写ってる写真を自由に使っていいよ」という許可がされているということになります。
モデルリリースが取得されていない写真を使うことは「肖像権の侵害」に当たる可能性があるため注意が必要です。
人が写った写真を使う際には利用規約とともにモデルリリース(肖像権使用同意書)に関しても確認しておくことを忘れないようにしましょう。

パロディリリース

写真に写り込んだ人物以外の被写体に関する撮影・使用許可を得ることをパロディリリースの取得といいます。主に建築物やアート作品、商品、個人所有のペットなど第三者の著作物が写り込んでいる場合、その被写体の著者に被写体としての著作物利用の許可を得る必要があります。
コチラもモデルリリース同様、利用規約の確認とともに確認しておくことを忘れないことが大切です。

フリー素材の使いかた

利用規約の確認が完了したら、実際にフリー素材を使ってみましょう。

  • お店のチラシに写真とイラストを使いたいという方の場合。
    お店のチラシに利用する場合、営利目的のため商用利用に当たります。【商用利用可】と書かれている素材の中から選んでお借りしましょう。
    【商用利用】にはお店のチラシ・ホームページ・CMなどの広告を目的とした場合や、商品のパッケージに使用する場合などが当てはまります。ビジネスに使うときはすべて【商用利用】となります。

  • 人の顔や、お洋服の柄などでアニメや漫画のキャラクターが写り込んでいる写真を使いたい場合。
    人の顔には肖像権・アニメや漫画のキャラクターには著作権が関わってきます。利用規約にて【モデルリリース】や【パロディリリース】が取得されているかを確認しましょう。特に小物など、キャラクターのグッズが写り込んでいる場合には【パロディリリース】は取得されていないことがあります。この場合は、許可されていない部分は見えないように加工する必要があるかもしれません。画像の加工を行う際には、利用規約に【加工可】と書かれているかもしっかりチェックしましょう!

フリー素材と言っても、著作権を放棄することが明記されていない限り著作権は著作者にあり、自由に使える範囲は定められていることがほとんどです。

著作権について

著作権について

著作物と著作物を作った人を守るために法律が定められ、著作物を作り発表した時点で「著作権」と呼ばれる権利が認められています。
そのため、他人の作品を勝手に使ったり規約を守らずに使うことは「作品を盗んだ」と判断されて訴えられる可能性があります。

知らないでは済まされない!著作権侵害

-著作権侵害についてのお話-
カメラマンのAさんは素敵な写真を売り物として画像提供サイトに発表していました。
また別の場所でホームページに写真を載せたいBさんが画像提供サイトでAさんの素敵な写真を見つけ、気に入ったためにホームページに掲載することにしました。しかしBさんは写真の利用規約はよく読まずに「画像提供サイトに乗ってる画像だし使っても大丈夫だろう」と軽く考え使ってしまったそうです。
※この時点でBさんは著作権侵害をしてしまっています。

その後Bさんのホームページを見つけたAさんは、自分の作品が勝手に使われていることに気づいてBさんに「この写真はあのサイトで売っていたものです。使っていた分のお金を支払ってください!」と指摘し、結果的にそれは裁判にまで発展してしまいました。

実はこの話、単なるたとえ話ではなく実際に事件となったお話です。
引用記事:【写真著作権判例集:アマナイメージズ事件】
※本記事では、要点がわかりやすいように筆者がかなり簡略化し脚色を加えて書いております。詳細はリンク先記事をご確認ください。

記事によるとBさんは「怒られたら消せば大丈夫だろう」と考えていて、原告(Aさん)に警告を受けた時に該当画像を削除したのみで、掲載期間分のお金を払おうとしなかったそうです。

Aさんにとって写真は大切な商品で、Bさんの行為を飲食店で例えるなら、置いてあった料理を勝手に食べ始めて、それを見つけたAさんに「お金を払ってください」と言われると、半分残った料理を突き返してお金を払わずにお店を出て行くというようなものでしょう。
Bさんにとっては「ちょっと借りよう」という軽度な認識だったのかもしれませんが、これは「著作権侵害」という立派な犯罪なのです。

このように著作権は知らないと軽視してしまうことが多く、「このくらいは大丈夫だろう」という認識でいると思わぬトラブルと発展することもあります。
そんなトラブルを回避するためにも「素敵な画像を見つけた!使いたい!」と思ったら必ず画像の掲載元へ行き利用規約をきちんと調べてから、利用規約に沿って使うようにしましょう。
利用規約が書いていない、もしくは海外のサイトに行きついて仕様や言葉がわからないという場合には不用意に使わないようにしましょう。
少し知識を持っておくだけで回避できるトラブルもあります。

フリー素材の著作権

フリー素材は無料で使ってもいい素材という認識の方は多いと思います。しかし実はフリー素材にも著作権というものがあります。
そのため「フリー素材だから自由に何にでも使っていい!」というのは間違いです!

フリー素材と呼ばれる素材には「著作権フリー」というものと「ロイヤリティフリー」と呼ばれるものがあります。

著作権フリーとは?

本来の意味であれば「著作権が放棄された素材」を示します。しかし近年よく使われる「著作権フリー」は意味が変わりつつあり、著作権は放棄していないものの、利用規約という著者が決めたルールに則って使うのであれば使用料はいらないという素材のことを示すことが一般的です。
そのため「自由に使っていいんだ!」と思って使うと、規約違反を申告される可能性があります。

使う前にしっかりと利用規約を読み、理解してから使うことが大切です。

ロイヤリティフリーとは?

一言で表すなら買い切りの画像素材のことです。
通常であれば画像を利用するときには使用する期間や目的に合わせて個別に契約し複数回使用する場合には追加でお金を払う必要があります。

しかしロイヤリティフリー画像は一度購入手続きをしたら、利用期限や回数を気にせず使えます。
しかしこのロイヤリティフリー素材、購入しても著作権は放棄・譲渡されません。あくまで著作権の保持は提供者にあるため使用者は購入後も利用規約を守る必要があります。ご注意ください。

著作権を侵害しないために

フリー素材ってなに?

あくまでもフリー素材は写真を撮った人やイラスト画像を作った人から借りているものですので、所有者が決めた決まりを守りつつ使用しなくてはいけません。そこには著作権という法律が関わってくるため、「大変そう」「面倒だな」という感想を持った方は少なからずいらっしゃると思います。そんな方のためにこの章では比較的安全に画像を使う方法をご紹介いたします。

0から自分で作る

極論ですが、他の人が作ったものを借りるために著作権などが関係してくるという面があります。つまり100%オリジナルなものを自分で作れば、著作権は自分にありますから自由に使ってしまって構わないわけです。例えば、自分のお店の宣伝に画像を使いたい場合に、自分で自分のお店を撮ることで、自分だけの画像素材が手に入ります。最近ではスマートフォンのカメラの機能も上がり、専門のカメラが無くてもある程度しっかりしたものが撮れるため、この方法を使いやすくなってきています。※もし人が写り込んでいる場合には、肖像権が関係してくるので、本人に使用用途を確認して許可を得ましょう。
この方法に関しては画像制作の技術や知識が別で必要になりますからできる人は限られるかもしれませんが、最も安全な方法とも言えます。

依頼してみる

カメラマンやモデルさん・イラストレーターなど、画像制作をお仕事としている方に依頼する方法です。安全で自分の理想に沿った画像が手に入ることと、契約時に自分の目的に関して著者に直接交渉や利用規約の確認ができるこの方法は、本格的に商用利用などを考えている方には一番安心できる方法であるかもしれません。

インターネット上で画像収集する時、素材を拾ってきたという言い方をすることもありますが。素材はポイ捨てされて落ちているわけではありません。写真・画像・動画・文章・音楽など、基本的にすべての創作物は誰かの所有物として掲載されています。インターネット上も現実世界と変わらず誰かの所有物を借りて使うときには基本的に「使用料」を支払う必要があります。無料で使えるというのは当たり前ではないこと、フリー素材を利用する際には「作った人の好意で画像を提供してもらってる」ということを忘れないようにしましょう。

安心できる素材提供サイトに登録する

ストックフォトサイト(画像提供サイト)には、画像提供者側に決まりを定めているサイトもあります。(利用規約の指定やモデルリリース・パロディリリースの取得義務付けなど)サイト内で利用規約が統一されているところが多く、最初にサイト全体での利用規約を確認しておけば良いので、利用しやすくおすすめです!登録義務の有無、有料無料はサイトごとに異なります。ストックフォトサイトを探して、サイト全体の決まりが自分の使用用途に合っているなら、登録してみるのがおすすめです。登録後も、サイト全体で利用規約が変更・更新する場合があるので注意しましょう。

まとめ

まとめ

今回はフリー素材について触れながら、画像利用時の注意点を解説させていただきました。ホームページなど広く他者の目に触れるところに画像などを掲載するときには著作権などの権利関係が絡んで来る場合があります。インターネットに公開されている画像の全てには著作権が存在することや、他人の作品を使用するためにはそれなりの決まりがあるということを知っておけば、使うときに少し気をつけるだけで回避できるトラブルもあります。
パパッとWebでは、当記事の画像も含め、しっかりとガイドラインに則って画像利用しております。ホームページ制作に関しても同様にガイドラインに則った画像利用をしておりますので、ホームページに載せられるような画像が用意できないという方でも安心してご利用いただけます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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